地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

”なぞかけ(仮)” の検索結果:

ずっと彼女を抱きしめていた

…」。「僕は彼のことを”なぞかけ(仮)”と名付けてたんだけれども、彼曰く”ぼくは、りどる”といっていた」。「だから、彼の名はきっと”りどる”だ」。「それは、偶然にもエヴァンジェリンが飼っている子ネコと同じ名前なんだ」。「その彼に対して僕はこんなことを言った覚えがある」。「僕は、彼女のファンだ、と」。「で、そのことを、今思えば、エヴァンジェリンだった」。「やっぱりエヴァンジェリン、だった、ん、だ」。「そうだ」。「僕にとってとても大好きなエヴァンジェリン」。「エヴァンジェリンのこと…

「僕はここに居る」

…うな気がしていた。 ”なぞかけ(仮)”は、リトルの黄泉がえりなのだろうか、それとも、それは僕の妄信なのだろうか。祖母トミヨと祖父ヤナチェクは、当時ワルシャワでどんなふうに過ごしたのだろうか。亡くなった父は、その当時の祖母と祖父のことをよく見聞きしていたのだろうか。いろいろなことが走馬灯のように思い出された。 僕は、随分と忘れていた。 わたしになると僕の時代はすっかりと頭から消え、かつての希望はなく、世の中は恐怖で蔓延していると感じる。それを実感した時に、人は成長を止め、この世…

”なぞかけ(仮)”

題名:”なぞかけ(仮)”報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 SIM交換すると僕はすっかりと見違えるように自らを取り戻し、あのかつての僕の自分に時間が戻った気がしていた。父と母がこの世からいなくなった後、祖母トミヨと子ネコのリトルの存在が、僕を生かしてくれたその人生が、この世からすべて亡くなったことに対して、あの時の真っ黒な闇雲が心の内面に覆いかぶさり、もう二度と失いたくはないと感じていたあの日々を、僕は二度と振り返りはしない。僕の中の何かもSIM交換と一緒に交換…